「2.こだわりレビュー」 2005年02月02日

『日本女性の外性器 増補改訂版―統計学的形態論』その1

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◆女性器。その多様性に迫る。

まず「日本女性の外性器」を一読して驚いたのは、女性器写真の内容とその数です。産婦人科の診察女性の股間を撮影した無修正写真が掲載されているということは知っていましたが、いざ実際に目にすると、そのリアリティと迫力に圧倒されてしまいました。それもそのはず、老いも若きも合わせて数百人分の女性器がアップで掲載されているのですから。

これら写真の“そのものズバリ”なインパクトに対して「猥褻だ」と言う人がいたり、過去に女性団体から抗議を受けたりといった事実がありますが、私は「なるほど、当然そういうことも起こるよな……」と考えてしまいました。実際、興味本位で見た男性が猥褻写真集だと思ったとしても、それは仕方が無いんじゃないでしょうか。

ともあれ、“性科学”という研究分野が、性行動や性器をテーマにする以上、そこには絶対にエロティックな要素が含まれて来ることになります。ですから、純粋に学術的な研究結果であっても、そこにはエロスがしっかり存在しているのです。本来の意図を理解して活用する人以外にも、そのエロス要素をちゃっかり楽しむ人がいたり、猥褻だ不謹慎だと言って抗議する人がいるのは、結果的には当然のことだったのでしょう。このテーマは何かとお騒がせなものなのだということを再確認させられる思いがします。

さて、その問題の女性器の写真ですが、まだ陰毛の生え揃っていない年頃の女性器から、熟年~それ以降の女性器まで、性交経験者も未経験者(処女)も掲載されていて、それはもう膨大なバリエーションなのです。そして、私(♂)自身ドギマギしながら見ているうちに、「女性器は人の顔の様に多様だな」ということを強く実感しました。

外陰唇や小陰唇、クリトリスや膣口の微妙な形の違いや立体感は、まさに人の顔の多様性と同種のものだと思います。例えば、第3章の「日本女性の外性器反応」において、顔に感情の変化が表れるのと同様に女性器にも変化が表れることが見て取れ、とても興味深いです。簡単に言うと、身体が性感に反応して性器が興奮状態(充血して膨らんだり愛液が出てきたりする状態)に変化していく様子が捕らえられています。

また、それら写真へ著者による分析(各種分類)が加えられていて、例えばクリトリスのサイズについて事細かに写真に添え書きがなされていたり、陰毛の生え方の分類などがされているのを見ると、女性器を前にしたドギマギ感に知的好奇心がミックスされるような、不思議な気持ちになります。

ちなみに、この「女性器の多様性の認識」というのが本書の本来の意図だと言えます。一般的に女性は自分以外の女性器を見る機会というのは皆無に等しいです。それどころか自分のものすらシッカリと見たことの無い人だっています。そういう状況だと、「私の性器の形は異常なんじゃないかしら……?」と不安に陥る女性も出てきます。

そこで本書の登場です。産婦人科医を通じて本書を見せられ、「ほら、あなたと似たような女性器を持った人がいますよ」とか、「女性器はこんなに千差万別なんですよ」と教えてもらえれば不安は解消するというわけで、これは実際にあるケースだとのことです。他の利用ケースとしては、産婦人科の学生さん達が教材にするそうです。

そういうわけで、このページをお読みの一般の男性読者は、本書を通じて女性器の赤裸々なエロスにドギマギしつつ、女性器の現実と真実を知る(見る)ことで、いつしか女性の神秘に触れることが出来る──かもしれません。そんな不思議な魅力とパワーを持っているのが、この「日本女性の外性器」なのです。著者の徹底した研究成果を、とくとご覧あれ。

※詳細な内容紹介があります

本書の詳細な内容紹介レビューはこちら。

『日本女性の外性器 増補改訂版―統計学的形態論』
『日本女性の外性器 統計学的形態論』(旧版)

2005年02月02日 22:12 | カテゴリ:2.こだわりレビュー

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