「2.こだわりレビュー」 2005年02月03日

『セクシァルヒーリング―愛の行動療法』

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現在セックスのハウツー本というものは、癒し系から詳細なテクニック指南まで非常に多岐に渡っています。パートナーとの性生活に不満や疑問を持っていたり、又はさらなる向上充実を望んでいる人が「何かガイドになる本はないの?」と思っても、本屋にあふれ返るこれらのハウツー本を前にしては困ってしまうことでしょう。

もしあなたが、より良いセックスについてパートナーとじっくり考え、育てて行きたいと思っているのならば、本書を候補のひとつとすることをお薦めします。

著者は、通常は数秒間しか続かないオーガズム(絶頂)を数十秒~数分~数十分ものあいだ続けることが出来る方法として、「ESOプログラム」を提唱しています。ちなみに「ESO」とは、「深く長い絶頂体験」の英語の頭文字を取った著者の造語です。

著者は臨床精神科医(セックス・カウンセラー)として経験豊富な人物で、共著者である妻もカウンセラーとして長年共に現場に携わってきており、単なる学者的理論に留まることなく実践的な内容になっています。

また、本書が個性的なのは、“心(メンタル面)”の部分に対してとても丁寧な解説を行っている点です。この辺りはさすが臨床精神科医といったところで、第8章「抵抗感を乗り越えるためのプログラム」にそれが如実に表れていて大変興味深いです。

「充実した性生活は健康につながる」、「超越的オーガズム(ESO)体験はあなたの気分を良くする」、「質の高いセックスをいつも経験している人の活動は、普通の人より能率がよく機能的である」、「よいセックスでふたりのきずなが強まる」といった項目からも著者の現場経験の成果を伺うことができ、なるほどと思うことも多いです。

さて、では実際にESOプログラムとはどういったものなのでしょうか。スタイルとしては、とてもよくコミュニケーションの取れた濃密な愛撫だと言うことが出来ますが、もちろんそれは形式上のことで、パートナーとのメンタル面での交流を重視した総合的な性行為です。

パートナーの体を改めて知るためのアドバイスから始まり、自分の快感を自覚し育てて行くための「自己刺激法(マスターベーション)」の解説があり、そしてパートナーの愛撫から受ける快感を相手に言葉で伝えるレッスンへと進んで行きます。

効果的な自己刺激法を習得したら、セックス・コミュニケーションに進みましょう。お互いに、相手がどういうふうに快感を得るのが好きかを知る必要があります。それにはまず、相手をよく観察し、教え合うことです。

最低1回はお互いのにパートナーが自己刺激しているところを観察します。触れずに、見るだけにします。話したり、質問したりしてもかまいませんが、ただし、パートナーの自己刺激には手を貸さないように。

その次は、相手がしていることを見た通りにまねします。パートナーに判断してもらい、うまく相手を刺激できるようになるまで繰り返します。(中略)少なくとも、パートナーが自分で出来るのと同じ程度までは、習得してください。

(中略)ここでは、もう一つ「指図(さしず)」のトレーニングをします。お互いに、自分に何が起こっているのか、うまい具合に刺激されているかを教え合います。パートナーの手をとって正しい場所に導きましょう。

教える側はきっぱりと断定的に、教わる側は言われたことを素直に受け入れます。怒りやエゴを捨てます。ここでは、教える側のパートナーがエキスパートであり、先生です。そして、あなたは初心者であり、生徒です。(91ページ)

このようなプロセスを経てお互いの体についての理解を深めつつ、今まで以上にパートナーとの対話(セックス・コミュニケーション)が出来るようになってきたならば、いよいよESOプログラムの核心に入って行くことになります。

著者は、男女それぞれの快感の高まりをいくつかのステージに分けて、各ステージにおける具体的アドバイスを行っていくのですが、ここから先の詳しい内容はぜひ本書を手に取ってご覧下さい。

さて著者は、質の高いオーガズムは心と体の健康のために良いと繰り返し述べているのですが、これには大いに同意できます。例えば男性の場合、粗雑なマスターベーションによって射精を迎えると、後味の悪い倦怠感や後ろめたい気分に襲われるものですが、私(男性)の場合、同じマスターベーションでも本書にしたがって濃密で自覚的な自己刺激法を行い、ESO状態に足を踏み入れてから射精すると、多幸感に包まれた爽快な気分で終わることが出来ました。

このときは、まさしく“快感の質”というものを実感した思いがしました。充実した性が心と体の糧となることが実感できると、きっとパートナーへの想いも深くなることでしょう。皆さんもご自身で、そしてもちろんパートナーと共に、質の高い快感を体験してもらえればと思います。

『セクシァルヒーリング―愛の行動療法』

2005年02月03日 22:35 | カテゴリ:2.こだわりレビュー

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