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「いくつかの小説で告白していることであるが、わたし(牧場由美)には痴女願望がある。男を誘惑し、男を翻弄するのが好きなのだ。だから今日もわたしは、取材をかねて満員電車や映画館、公園や繁華街をさまよい歩きながら、男たちの視線と指先を求め続けてゆく」
官能女流作家がリアルに描く「実体験」短編集。
抄録(「電子書店パピレス」より)
彼は全身の筋肉を収縮させながら体を起こした。
わたしは大胆に両脚をあげる。
のぞき男たちの目にはわたしの綺麗に手入れしたお尻の穴まで見えているだろうし、彼の目からもわたしのクリトリスとなだらかなカーブが見えているようなかっこうだった。
「ああ、君のおっぱいが震えている」
「あなたの声も……」
「ううっ、もうダメだ」
「今よ、抜いてッ。ねぇ、わたしの顔に発射してッ」
「いいのかい? 随分大胆なことを言うだね」
「顔面発射ってビデオで見て興味があったの……。あたし、顔をあなたの精液で汚されてみたいの」
「本当にいいのかい? そういうことをやってみたいと思っていたけど、いいの?」
「いいのよ、出してッ。顔を汚してッ」
彼は声をあげると、ペニスをわたしの肉ヒダからスッポリと抜いて、薄いゴムの袋を剥き取った。
彼は立膝のようなかっこうでわたしの顔に下半身を押し付けると、そそり立ったままのペニスをしごいた。
「ああッ」
とわたしは声をあげながら目を閉じる。
わたしの脳裏には、もうのぞいている男たちのことも、夫のこともなかった。ただ、自分と目の前にいてペニスをしごいている男のことだけしかない。
男の指が前後に動いているのだけが見えていた。
「ああ、出るッ。いいかい、出るよ」
呻くような声をあげたと思うと、音もなく精液がわたしの顔に飛び散った。
それは感動でも、屈辱でもない。
ただ音もなく液体がわたしの顔に飛ぶという感じだった。
最初は目のそばに飛び、次には口の周辺に飛んだ。
それから喉の周辺や剥き出しの乳房が汚された。
彼はわたしがアダルトビデオのようなことを求めていることを知って、肉筒の先端をコントロールして精液を飛ばしたようであった。
わたしは指先で彼の精液に触れてみた。
舌先で彼が発した液体を少し嘗めてみた。
「いつもほどあんまり出なかったよ」
体を起こそうとする彼の下半身にわたしは大胆にむしゃぶりついた。
わたしの好きなアダルトビデオに、顔面シャワーされた後、主人公の少女が男の汚れたペニスを口に入れられるシーンがある。わたしは精液で汚れた彼のものを掃除するように、彼のペニスを口全体でなめ回した。
著者について。牧場 由美(まきば ゆみ)
昭和38年9月9日生まれ。本名斎藤唯美。大学生時代から短編官能小説を書くかたわら、ビニ本モデルをやったり、ノーパン喫茶でアルバイトをするなど、風俗業界に手を染める。その一方で、フランスに遊学して後、ファションモデル、ファッションデザインの仕事なども経験。フリーライターに転身して、ファッションヘルスに取材で立ち寄った際にスカウトされ、アダルトビデオ嬢やテレビの深夜番組のカバーガールなどをやる。『寝室の女王』(コスミックインターナショナル)で本格的デビュー。時折、ポルノ映画、Vシネマに別名で出演することもある。
第一章 人妻痴女日記
第二章 ペッティング
第三章 のぞかれて
第四章 公園の男たち
第五章 女流作家の性
第六章 映画館の痴女
第七章 のぞき男たち
第八章 人妻売春願望
第九章 痴漢アダルトビデオ
第十章 満員電車の痴女