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あなたにそっと教えます、密室で繰り広げられる男と女の妖しいドラマ……風俗情報誌に登場するソープ嬢が語るのは、お客を呼び込むためのタテマエばかり。その本音を知るために、本書は200名のソープ嬢に会いナマの声を集めてみた。セックス産業の舞台裏が覗ける“読むソープ”!
抄録(「電子書店パピレス」より)
その客は五〇歳代の白髪の立派な紳士だった。優しい口調で夏子ちゃん(23)をすっかり安心させ、彼女はベッドで男のリードにカラダをまかせていた。
乳房をまさぐられ、彼女は徐々に快感を高めていく。
ソープ嬢になってまだ間がなかった彼女のカラダは、演技をするまでに熟練していない。股間からは自然にラブジュースがあふれ始める。
そのとき、スーッと男の手が彼女の下半身へと下りてきた。
と、次の瞬間、彼女は股間にものすごい衝撃を受ける。快感は吹っ飛び、彼女は男をけとばして、
「何するのよ!!」
大声をあげて、浴場へ走っていた。
男はベッドのわきでヘラヘラしながら立ちつくしている。
じーっと男を見やると、男の指には指サックがはめられ、先端から赤茶けた液体がしたたっている。
「何、入れようとしたのよォー」
股間をシャワーで流しつつ、男を問いつめる。
「タバスコ」
男は顔色ひとつ変えず、イケシャーシャーといった。
最も敏感な部分へ、刺激物を入れられた彼女、翌日医者へ出向くと、しっかり炎症を起こしていた。
「それからというもの、わたし、お客さんを警戒するようになってしまったの。それに、それまですごく感じやすかったのに、それ以来、リラックスできないせいか、ほとんど濡れないし、感じないカラダになっちゃって……」
いくらナメるからといって、ラブジュースに味つけは不用。百歩ゆずって、どうしても味つけしたいというなら、せいぜい、バターあたりにしとこうぜ、なっ、タバスコオヤジ。
*
「コンジロームもらって、医者で焼き切ってもらったんだけど、あの痛さは、今思い出しても、涙が出ちゃう」
2
ヤッちゃんが強い男のあかしとして、ペニスに入れ込む真珠の玉。中には、本物の真珠じゃコストがかかりすぎるのか、歯ブラシの柄を切って丸めたカラフルなまがい物でまにあわせているヤッちゃんもいるらしい。この“タマ入りペニス”に泣かされたという美々ちゃん(21)がいう。
「年のころ四〇歳ぐらいの人だったんだけど、オチンチン見て、わたし逃げ出したくなっちゃった。オチンチンの‘カリ’の部分にも、ボコボコとタマが入ってて、まるで金魚のランチュウの頭みたいなの。これはちょっとできそうにないと思ったんだけど、このヤクザ屋さん、自分のものにずいぶんと自信を持っていて、『オレのものでヒーヒーいわなかった女はいない』っていいながら、元気になって挑んできたの。
元気になると、このオチンチン、タマが入っているというのに、そり方もすごくって、もうピンピン!! それが入った途端、わたし、ホントにヒーヒーいっちゃった。快感からじゃないわよ。痛いの、なんのって。それを、わたしが喜んでると勘違いしたこのヤクザ屋さん、ランチュウチンチンでもってピストン運動始めるんだから、たまんないわよ。翌日アソコがハレちゃって、わたし、一日中またもやヒーヒー泣いちゃった」
“女を泣かせるいい男”という言葉もあるが、このヤッちゃんの泣かせ方は、ちょっと問題あり。
ちなみに、真珠入りチンチンでも、ソープ嬢が気持ちよくなって、ま、いいでしょうというのは、真珠をクリトリスにきっちり当たる‘サオ’の部分に入れ込んであるモノに限るんだと。
ランチュウチンチンは、文字どおりイレコミすぎ。
「あのオチンチンで喜ぶ女がもしいるとしたら、顔を見てみたいよ」
美々ちゃんは吐き捨てるようにいい切った。
著者について。伊藤 裕作(いとう ゆうさく)
昭和25年、三重県生まれ。早稲田大学教育学部を7年かけて卒業後フリーライター。主な著書に短篇小説集『イヴ伝説』(東都書房)『フー族の姫』(茜新社)短歌集『シャボン玉伝説」(ブロンズ新社)編書に『‘線’後を彩った女たち――その30年史』(双葉社)がある。
【1話】こんなことってあるかしら
【2話】男ってヤツは……
【3話】涙なくして語れない
【4話】アタマにきちゃう
【5話】ひそかな愉しみ
【6話】カラダが変わった
【7話】とってもいえないわ
【8話】どうして入ったかって?
【9話】惚れてしまった
【10話】これからのこと話そうか