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8330人の検体情報を全て網羅した『増補改訂版』が出版されました。
「1135ページ」にわたり膨大な研究成果が収められています。

※『増補改訂版』の紹介ページはこちらです。


日本女性の外性器 統計学的形態論

著者:笠井 寛司
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写真:日本女性の外性器 統計学的形態論
価格:¥ 30,001
出版社:フリープレス/星雲社
発行年:(1995/09:初版)
サイズ:全集・双書(26 x 19cm) 1135p
ISBN:4795281998

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■ 増補改訂版になりました

女性器研究の金字塔と言われる笠井寛司氏の『日本女性の外性器 統計学的形態論』が大幅にページを増やし、増補改訂版として新しい姿を我々の前に現しました。そのページ数、なんと「1135ページ」。これまでが414ページでしたから、およそ3倍近くも増えたことになります。

この増補改訂版では、著者の研究の対象となった検体情報を全て網羅しているため、写真点数は8330人分にも上ります(15歳〜46歳、内、性交未経験者・処女212名)。しかも、全ての資料写真には年齢・身長・体重が判るコードが付記されており、まさに著者の女性外性器研究の総決算と言えるでしょう。

※出版社のウェブサイトでは“第1巻(従来版)との写真の重複は無し”とありますが、本書・増補改訂版は従来版(第1巻)の本文そのままに写真が大幅追加されたものです。

※増補改訂版の紹介ページはこちらです。

■ 管理人のブックレビュー

まず「日本女性の外性器」を一読して驚いたのは、女性器写真の内容とその数です。産婦人科の診察女性の股間を撮影した無修正写真が掲載されているということは知っていましたが、いざ実際に目にすると、そのリアリティと迫力に圧倒されてしまいました。それもそのはず、老いも若きも合わせて数百人分の女性器がアップで掲載されているのですから。

これら写真の“そのものズバリ”なインパクトに対して「猥褻だ」と言う人がいたり、過去に女性団体から抗議を受けたりといった事実がありますが、私は「なるほど、当然そういうことも起こるよな……」と考えてしまいました。実際、興味本位で見た男性が猥褻写真集だと思ったとしても、それは仕方が無いんじゃないでしょうか。

ともあれ、“性科学”という研究分野が、性行動や性器をテーマにする以上、そこには絶対にエロティックな要素が含まれて来ることになります。ですから、純粋に学術的な研究結果であっても、そこにはエロスがしっかり存在しているのです。本来の意図を理解して活用する人以外にも、そのエロス要素をちゃっかり楽しむ人がいたり、猥褻だ不謹慎だと言って抗議する人がいるのは、結果的には当然のことだったのでしょう。このテーマは何かとお騒がせなものなのだということを再確認させられる思いがします。

さて、その問題の女性器の写真ですが、まだ陰毛の生え揃っていない年頃の女性器から、熟年〜それ以降の女性器まで、性交経験者も未経験者(処女)も掲載されていて、それはもう膨大なバリエーションなのです。そして、私(♂)自身ドギマギしながら見ているうちに、「女性器は人の顔の様に多様だな」ということを強く実感しました。

外陰唇や小陰唇、クリトリスや膣口の微妙な形の違いや立体感は、まさに人の顔の多様性と同種のものだと思います。例えば、第3章の「日本女性の外性器反応」において、顔に感情の変化が表れるのと同様に女性器にも変化が表れることが見て取れ、とても興味深いです。簡単に言うと、身体が性感に反応して性器が興奮状態(充血して膨らんだり愛液が出てきたりする状態)に変化していく様子が捕らえられています。

また、それら写真へ著者による分析(各種分類)が加えられていて、例えばクリトリスのサイズについて事細かに写真に添え書きがなされていたり、陰毛の生え方の分類などがされているのを見ると、女性器を前にしたドギマギ感に知的好奇心がミックスされるような、不思議な気持ちになります。

ちなみに、この「女性器の多様性の認識」というのが本書の本来の意図だと言えます。一般的に女性は自分以外の女性器を見る機会というのは皆無に等しいです。それどころか自分のものすらシッカリと見たことの無い人だっています。そういう状況だと、「私の性器の形は異常なんじゃないかしら……?」と不安に陥る女性も出てきます。

そこで本書の登場です。産婦人科医を通じて本書を見せられ、「ほら、あなたと似たような女性器を持った人がいますよ」とか、「女性器はこんなに千差万別なんですよ」と教えてもらえれば不安は解消するというわけで、これは実際にあるケースだとのことです。他の利用ケースとしては、産婦人科の学生さん達が教材にするそうです。

そういうわけで、このページをお読みの一般の男性読者は、本書を通じて女性器の赤裸々なエロスにドギマギしつつ、女性器の現実と真実を知る(見る)ことで、いつしか女性の神秘に触れることが出来る──かもしれません。そんな不思議な魅力とパワーを持っているのが、この「日本女性の外性器」なのです。著者の徹底した研究成果を、とくとご覧あれ。((C) netman 「性の本棚」)

■ 内容紹介

『日本女性の外性器』とは?
産婦人科医にして性科学研究家の笠井寛司博士がその生涯をかけて追求した、まさに女性器研究の金字塔と言える本です。また出版以来、さまざまな話題や物議を呼んでいる問題作でもあります(詳しくはこのページ下の「『日本女性の外性器』の出版からこれまで」をご覧下さい)。

永年にわたる診察を通じて収集・分析された8千数百件にものぼる写真資料の中から、約800点の女性器 (外性器)記録写真(カラー約600点/モノクロ約200点。女性の年齢:10代〜40代)を掲載して分析・解説を行っています(その後、増補改訂により全ての写真が掲載されました)。

医療現場や医学生向け資料として作成されたため、掲載されている女性器写真は無修正なのですが、このことが猥褻図書論議を生み出した要因となったことは、あまりにも有名です。


(出版社/著者からの内容紹介)
世界性科学学会初の日本(横浜)開催記念出版。性科学研究者や医療の現場で永く待ち望まれていた研究の成果がついにまとめられ上梓された。欧米ではつとに研究が深められている分野ながら、わが国では性への偏見から長く傍流とされてきた性科学に正面から取り組んだ学究による労作と学界の評価は高い。

著者が長年にわたって診察してきた8千件以上もの女性器診察記録の中から、約800点の女性器 (外性器)記録写真(カラー約600点/モノクロ約200点)を掲載し分析、解説を行っている(その後、増補改訂により8千数百件の写真すべてを掲載)。8千例以上の女性器データをコンピュータで解析、単に女性器(外性器)を計測するだけでなく体型諸要素と女性器との関連を科学的に追求した学術書。

■ 詳細な内容紹介

本書は、女性器の研究(分析・考察)というテーマに正面から取り組んだ、注目すべき本である。その成果は「女性器(外性器)研究の金字塔」とも言えるもので、具体的内容としては──、幅広い年齢層の女性器とその性的反応(性的興奮に伴う女性器の変化、陰核(クリトリス)や小陰唇の肥大、バルトリン腺液の分泌等。本書第3章)や、陰毛と女性器(外性器)の形態の相関、解剖学および組織学から見た女性器 陰核部(クリトリス)の特性についてなど多岐に渡る。

それぞれの項目について詳しく見てみよう。第一章「女性外性器の形態」では、そもそも外性器とは身体のどの部分のことを指すのかという、実はほとんど明確にされて来なかった事項について検めた後、年齢や体型、色(色素沈着程度)といった視点から外性器を分類、考察している。妊娠女性の外性器の経時変化や、陰毛の円形発毛、長四辺形発毛といった陰毛の形態分類など興味深い。

なお、本書全体において掲載されている女性器写真は、産婦人科用診察台上の女性の外性器を診察医師(著者)の視点から接写したものや、臀部(肛門)や下腹部を含めて俯瞰撮影したもので、考察の対象部位が判り易いように考慮されており理解を容易なものにしている。

第二章「臀部と肛門の形態」では、臀部の形態と肛門および外性器との関係を考察しており、脱肛と外性器の形態との相関や、陰毛の発毛範囲の多様性について、また、臀部と臀溝(尻の割れ目部分)の形態と肛門部の相関を実測を持って考察するという視点は、本書の研究ならではのものと言えるだろう。

第三章「日本女性の外性器反応」では、外性器に表れる外的刺激に対する反応について、平静時と興奮時を併置しながら論を進めている。大陰唇内側の肥厚、陰核肥大及び亀頭の露出、陰毛の立毛、小陰唇の直立、会陰縫線の肥厚などの経時変化が仔細に捉えられており、人間の顔が千変万化するのと同様、外性器も固定されたものではなく多彩な表情を持った器官であることを再認識させられる。

著者が後書きで述べているように、大脳新皮質の発達した生き物である人間は、感覚器官からの情報を錯覚したり誤認したりするものである。大脳で作り出される複合感覚であるところの「性感」も、女性器への外的刺激や極度の緊張といった大脳新皮質の働きによって錯覚や誤認を呼び起こすものと言えるだろう。そのため、診察に当たる著者の苦労もこの点に起因するのだと言う。平静時のデータを収集しているにも関わらず、その女性器への刺激を患者の新皮質が性感という感覚として認識してしまうことがあり、これは感覚器官である外性器の性質上止むを得ないこととは言え、相応の苦労を伴ったとのことである。

続く第四章と第五章では大陰唇と小陰唇について考察している。女性の悩みとしてよく聞かれる「形が左右で違う」、「色が黒すぎるのではないか」、「小陰唇が大きい(長い)」というものへの回答がここにある。様々な体型の性交未経験女性の外性器写真が豊富なので、同じ年齢層の女性の不安を和らげる一助となるだろう。小陰唇の先天性欠損や陰核との接合異常の写真もあるので、医学的に異常とされる形態を知ることによって自身の外性器の形態に対して冷静な判断を促せるようになると思われる。

第六章「Coles feminius(陰核・クリトリス)」では、長さ、横幅(茎幅)、亀頭の形態、小陰唇との結合形態などによって分類し考察している。陰核を覆う包皮が二重になっているケースや、亀頭露出の状態、包皮下部の傘状開大のバリエーションなどの形態の分類を始め、各写真資料には陰核のサイズが記載されており、その数値は「長さ6〜8ミリ、横幅数ミリ」というものから「長さ30ミリ、横幅8ミリ」等の大きさまで多岐に渡っている。

第七章「Pubes(陰毛)」では、無毛の外性器から、肛門周辺部や臀部に発毛している外性器まで、毛長や発毛状態(方形や三角形、粗密の程度など)に着目しつつ女性器を分類考察している。発毛状態と小陰唇の着色状態の相関関係の考察もあり、同一患者のほぼ無毛の時期の状態と発毛後の状態の外性器を写真比較し、陰毛と小陰唇の着色状態の相関関係に言及している。

最後の第八章「Introitus(腟入口)」では膣口の形態について分類、考察している。膣開口部の形態は単純な円形に留まらず、ひだ状に重畳されていたり輪状に隆起していたりと多様である。その輪状隆起形態ひとつをとっても肥厚輪状や分岐状態など数多くに及ぶ。性交未経験女性の処女幕や出産経験女性の膣口それぞれの特徴にも資料を交えながら考察されている。なお、膣口の多くは通常小陰唇に覆われた状態で可視状態には無いため、診察医師の触診によって小陰唇を開示し膣口部を露出させて撮影されている。

ここまで紹介して来たように、本書「日本女性の外性器」は主に以上のような内容となっている。後述の「日本女性の外性器の出版からこれまで」で詳しく述べているように、本書は医学書とは言え女性外性器の無修正写真を用いた書籍という特徴から、出版以後各方面において様々な問題を提起して来た経緯がある。詳細はそちらをご覧頂きたい。

さて、著者はこれ以前にも女性器に関する数々の本を出しており、既に女性器研究の権威として知名度が高かった。そんな中、まさに満を持して出版されたのが本書と言えよう。著者自身、女性器との関わりはライフワークだと語るように、微に入り細を穿つ女性器研究は徹底しており、その膨大な写真資料を用いた女性器の詳細な分析調査は他に類を見ない。しかし、著者の笠井氏が男性であることから「本書の女性器の分析、考察の視点には男性的偏りが見られる」と指摘する声もあり、手にする人によって本書「日本女性の外性器」の受け止め方は様々だろう。((C) netman 「性の本棚」)

■ 『日本女性の外性器』の出版からこれまで

初版発行は1995年の夏。女性器の研究というそのテーマ故か、本書の発売広告が朝日新聞に掲載されるや一般からの注文が殺到し、初版2000部は瞬く間に完売したという。しかし本書は医学書とは言え、女性器(外性器)の無修正写真を掲載していることから、発刊当時様々な議論を呼び起こした。

1996年6月、滋賀県の女性団体は、女性器の無修正写真の掲載が猥褻文書頒布罪に当たるとして大津地検に告発状を提出したが、大津地検はこれを不起訴とした。それを受け、大津検察審査会が不起訴は不当であると再調査を求めたが、その後再び不起訴となり、女性器の写真を扱った本書は法的には猥褻図書ではないとされ、医学書として一般への流通が継続されることとなった。

この告発の一件が取り上げられている間、本書の流通は事実上ストップした上に、性交未経験女性(処女)の外性器写真が掲載されていることから好事家達の注目を集めてしまい、その希少価値から古書市場での価値が高騰、一時は数十万円の値をつけることも珍しくなかったという。しかし不起訴処分決定後、流通が再開した後は大型書店を中心に医学書として一般販売され、現在に至っている。

その他にも、1997年9月、社団法人自由人権協会は、「患者として来院した女性の外性器を無断撮影し、かつその同意を得ることなく、その写真をおよそ学術書とはいえない内容で出版したことにより、医療を求める女性を不安に陥れ、女性の尊厳を傷つけた」として、著者の笠井氏に反省と責任を明らかにすることを求める声明を発表している。また同様の理由で、法務省人権擁護局は人権侵害問題として説示を、日弁連は2000年に警告をそれぞれ行っている。

当の著者である笠井氏は、出版直後の1996年1月、滋賀医大から「大学のイメージを傷つけた」として訓告処分を言い渡され、その後同大を退官している。退官後も女性器をテーマとした幾つかの著作を残し、女性器 研究のパイオニアとしての名を残し2002年4月に亡くなっている。なお、当時の滋賀医大では派閥争いなどの醜聞が取り立たされていたため、「日本女性の外性器」出版に伴う一件についても週刊誌上などを通じて様々な憶測を呼んだことを付記しておく。

この様に本書は、医学書としての本分とその研究プロセス、そして研究結果に対する周囲の捉え方などの錯綜から問題を引き起こし、各方面に課題を残したと言える。「医学書か、猥褻か」という出版界が常に孕む命題を、女性器というモチーフによって最も具体的な形で体現した書籍であり、また、産婦人科患者の人権問題への配慮に社会の目を向けさせたヒールとしての役割と共に、出版史に残る書籍と言えよう。((C) netman 「性の本棚」)

■ 目次

第1章 女性外性器の形態/(外性器の範囲/解剖学的名称/Mons pubis の血管系と神経系/外性器の発生/胎児・新生児期の女性外性器構造/序・被験女性の区分/体型区分/年齢区分/皮膚色調区分)

第2章 臀部と肛門の形態/(臀部/概説/臀部の解剖/臀部の形/臀部下垂を惹起する要因/臀部下垂と外性器形態との相関)(肛門/概説/肛門の解剖/脱肛の大きさ区分/脱肛と外性器形態との相関)

第3章 日本女性の外性器反応/(概説/解剖学的 Orgasm オーガズム/生理学的 Orgasm オーガズム/Orgasm オーガズムを感じる女性と感じない女性/外性器各器官の性反応/外性器性反応異論)

第4章 Labia majora pudendi(大陰唇)/(概説/解剖学的特性/肉眼的分類基準/Labium majus との相関)

第5章 Labia minora pudendi(小陰唇)/(概説/解剖学的特性/肉眼的形態異常/肉眼的分類基準/Labium minus と外性器形態との相関)

第6章 Coles feminius(陰核)/(概説/解剖学的特性/Clitoris クリトリス組織学的特徴/Penis ペニスとの肉眼的差異/肉眼的形態異常/小陰唇と陰核との接続様式/Clitoris クリトリスと外性器形態との相関)

第7章 Pubes(陰毛)/(概説/Pubes の肉眼的分類/Pubes と外性器形態との相関)

第8章 Introitus(腟入口)/(概説/解剖学的特性/Introitus の位置/Introitus の露出/Introitus と外性器形態との相関)

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日本女性の外性器 統計学的形態論紹介ページの最終更新日時
2004年7月6日 13:28:41
ID:297