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本書の内容は、生殖医療の現状と技術解説の本ですが、他の類書との違いは、患者さんとの対話を含むケースレポート(症例)が多数盛り込まれていることと、著者のこの上なくやさしく分かりやすい文章にあります。医者と患者両者の細かい対話を通じて、現在の「生命の誕生」がどういった形になってきているのかを、技術と倫理の両面から考えて理解して行くことが出来ます。
そして、これらを踏まえることによって、不妊治療を受けようとするカップルは、自分達の治療方針を自信を持って選択し、医師と共に歩んで行けるようになるでしょう。
言うなれば本書は、生殖医療に携わる医師側の悩みと歓びを通じた、温かみのある技術書という、とても個性的な本と言えるでしょう。そのことは、本書のタイトルが「授かる」とされていること、そして「子供をもつこと」とされていることからも、よく伝わってきます。((C) netman 「性の本棚」)
出版社からのコメント
■いまやカップルの「7組に1組」といわれるほど増えている不妊症。その原因・治療法をわかりやすく丁寧に解説します。語り手は、30年にわたって不妊症を診てきた東京大学医学部 産婦人科の堤治教授。患者さんの篤い信頼をかちえている斯界の第一人者です。
■不妊治療で悩んでいるひと(カップル)、いま治療を受けているひと(カップル)、治療を受けないという選択をしたひと(カップル)――さまざまな立場の読者を想定し、「どんな治療をどこまで受けるか」を丁寧に解説します。実際の治療例を多数紹介していますので、きっとあなたの役に立ちます。
著者からのコメント
本書は、単なる技術解説に留まらず、現代人が子どもをもつということ、あるいは近年社会問題になっている生殖医療の適用範囲(代理懐胎、着床前診断など)についても考えていきたいと思います。「科学技術と倫理」の葛藤は、生命の誕生の場面に色濃くあらわれるからです。社会の多くの皆さんに生殖医療の現状と問題点をご理解いただき、これからの生殖医療をどうしていくべきか、その考えを深めるためのお役に立つことができれば幸いです。」
「まえがき 不妊症に悩んでいる方へ――安心して不妊治療を受けていただくために」より
カバーの折り返し
「先の見えないトンネルの中にいるようで、 いつになったら明るい出口に出られるのだろうと 不安な気持ちになるときもありました。 病院に行って先生に会うと、 “よし、またがんばろう”という気持ちになれました」
――患者さんからのお手紙より
著者について
堤治(つつみ・おさむ)
東京大学医学部産科婦人科教授。 1950年埼玉県秩父市生まれ。東京大学医学部医学科卒業。東京都立大塚病院、長野赤十字病院、米国NIH留学等を経て現職。専門は不妊症、腹腔鏡下手術、子宮内膜症、生殖内分泌学、環境ホルモン、性の分化。主な著書に『新版 生殖医療のすべて』(丸善)『出産&産後大全科』(主婦の友社)『入門 婦人科腹腔鏡下手術』(メジカルビュー社)等。
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まえがき――安心して不妊治療を受けていただくために
図版――ヒトの発生
不妊症の検査を受ける前に
イントロダクション――編集部から
1 変わりつつある「生命の始まり」
――妊娠成立のシナリオと生殖医療
・生殖医療の現状
・妊娠の仕組みと不妊治療
・生殖医療の問題点
2 見えてきた生殖の壁
――子宮内膜症/子宮筋腫/性感染症/環境ホルモン
・不思議な病気――子宮内膜症
・子宮内膜症は増えている
・古くてあたらしい子宮筋腫の問題
・性感染症はひろがっている
・環境ホルモン――生殖への影響は?
3 子をもつ希望と倫理の狭間で
――複雑化する家族/クローン/出生前診断
・家族の枠組みが変わる?
・クローンはなんのため
・遺伝病と染色体異常の違いを知る
・子どもを選ぶ?――出生前診断
おわりに
あとがき
医療情報リンク集/不妊治療をおこなっている全国医療施設
用語集
患者さんからのお手紙