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本書は、近親相姦について、その人類上の歴史を追いつつ、宗教観との関係、さらには家族性の虚構性にも言及しながら、インセストが生み出す問題の性質を浮き彫りにし、更なる問題提起へとつなげています。
「世界中の人類に共通する慣行を挙げよと人類学者に問えば、10人中、9人は近親姦と答えるだろう」という、文化人類学者エドマンド・リーチの言葉を引き合いに出し、そのタブー観がもたらす幻想、つまり、禁止されているがゆえの甘美な夢としてのインセスト、という視点を提示しています。
本書では、インセストがもつ、歴史的にも内容的にも巨大なイメージそのものに翻弄されながらも、賢明に問題提起を続けている著者の姿が見えるように思えます。存在しないのではなく、見ないようにしているのだ、と言うことも出来るインセスト。そんなインセストに問題意識を持つ人におすすめします。((C) netman 「性の本棚」)
インセストすなわち近親相姦。人間関係をめぐる数々のタブーを克服してきた近代社会において、人類最後の禁忌とされながらその違犯の事例が絶えない特殊な性愛現象。
厳重な禁止に背いておぞましい行為にひきこまれざるを得ない人間の「哀しさ」を描いた古今東西の多くの文学作品をひもときながら、母子癒着や父娘間の家庭内性暴力など現代的課題にも目を注いで、インセストを人間の精神と文化の問題として冷静かつ包括的に扱った極めて注目すべき労作。(「BOOK」データベースより
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序章 インセストの禁止と侵犯
第1章 近親への欲動は特殊・例外的なのか
第2章 近親婚禁忌の起源について
第3章 インセストタブーと宗教
第4章 家族が愛人に変わるとき
第5章 母と息子、父と娘
第6章 きょうだいインセストとその周辺
終章 インセストはなぜ悪なのか