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本書は、既存の小説をテキストにして、その小説に登場する男女のセリフやシチュエーションなどを抽出し、そこに著者の自由な感慨を付け加えた、書評風のエッセイです。著者自身も「小説のガイドなのか、エッセイなのか書いている当人にもよく分からない」と言うように、本書は言わば、「小説を触媒にした語りの場」といったものでしょう。
いみじくも著者が言うように「小説の評価といっさい関係が無いことを考えることが少なくない。(中略)つまり、本を読む側のそういう心の揺れ動きを書き留めたのが本書と言っていい」ということなので、取り上げる小説の批評とは違った視点で恋を語る、男女を語る本なのです。((C) netman 「性の本棚」)
OLも、探偵も、女子大生も、スパイも、お姫様も、タイムトラベラーも、中年男も、恋して別れて大人になる。あらゆる分野の小説から読み説く「愛」のかたち。新感覚書評風エッセー。 (「MARC」データベースより)
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第1章 曲がり角の時間(中年男たちの悲哀―加賀乙彦『ヴィーナスのえくぼ』R・J・ウォーラー『マディソン郡の橋』
男も女もまっすぐな時代小説の恋―宇江佐真理『深川恋物語』北原亜以子『埋もれ火』
仕事中毒男への共感―ジェイソン・スター『上司と娼婦を殺したぼくの場合』 ほか)
第2章 男と女の不等式(完璧な恋人がいたらどうする?―メラニー・テム、ナンシー・ホールダー『メイキング・ラブ』
モテる男―山本文緒『恋愛中毒』
年の差―K・C・マキノン『ハーヴェスト・ムーン』 ほか)
第3章 別れのあとさき(視線を逸らす理由―ベルンハルト・シュリンク『朗読者』
女が惚れる男―松井今朝子『奴の小万と呼ばれた女』
人生の夏休み―重松清『カカシの夏休み』 ほか)