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著者は、江戸暗黒史観の対立軸としての“過剰な江戸礼賛”を批判する立場に立っています。著者のスタンスについて後書きで「私が江戸幻想派に与し得ないのは、吉原の女郎の平均寿命が23歳だと知ってしまったからである。「江戸の性愛」などというものを支えていたのは、この厳然たる事実なのであり、従軍慰安婦問題にあれだけのエネルギーを注げる人たちが、自国の過去のこの悲惨を『洗練された文化装置』などと言われて何故黙っていられるのか、私にはわからない」と、的確に述べています。
著者は、批判のための批判をしているのではなく、歴史学的立場から、学問的正当性をもって事実を提示し世に問いたい一心であることが、本書から伝わってきます。学問の世界と世間との意識のアンバランスさが生み出す、トンデモ情報の蔓延を憂える一人なのです。((C) netman 「性の本棚」)
江戸は明るかった?江戸の性はおおらかだった?トンデモない!江戸の性的自由とは、強姦、セクハラの自由であり、その洗練された遊郭文化とは、女性の人身売買の上に築かれた悲惨なものだった。トンデモない「江戸幻想」を該博な体験的知識を総動員して木っ端みじんに粉砕する、論争の書、第三弾。(「BOOK」データベースより)
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「江戸幻想」とは何か
第1部 「江戸幻想」の諸相(近世文化に関する覚書―「江戸幻想」の広まり
江戸幻想の原点―佐伯順子の仕事について
「江戸幻想派」集結?―「春本座談会」を読む
相対主義について
私的徳川時代論
農村は性のパラダイス
「悪場所の発想」と〈江戸ブーム〉―『廣末保著作集』刊行によせて
フーコー的近代としての江戸―桜井進『江戸の無意識』について)
第2部 近世文化の諸相(歌舞伎批評は可能か?
女形の近代
唐十郎「特権的肉体論」を読む
馬琴の位置
再び処女の純潔を論ず―伏姫論
父 作者の疎外―『南総里見八犬伝』再考)