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テレビなどのメディアを通じて知る“人間”というものは、なぜかリアリティや双方向性(向き合うという意味)が欠けてしまいます。こちら側から向こう側へ手を伸ばそうという動機も、そして気持ちを送ろうという想いも必要なく、一方通行なままです。アダルトビデオというメディアにおいても当然そういう断絶と完結性のようなものが存在しているように思います。
それで当たり前だという考え方とは逆方向に、生の人間を知ることでメディアの向こう側を感じることができるという考え方があるのかもしれず、この著者の文章からは、本書それ自体が一方通行のメディアでありながら、そういう事実を乗り越えてリアリティを共有させてくれるパワーを感じます。対話というよりも一体化と言った方が良いでしょうか。
この著者の文章が生み出すパワーといっても、決して押し付けがましいものではなく、むしろ一歩引いた、一段違うところからの目線と声なのです。なんとも独特なルポタージュです。((C) netman 「性の本棚」)
内容(「MARC」データベースより)
最も過激なアダルトビデオ、企画AV。ホームレス、レイプ、近親相姦、虐待、多重人格…。映像よりさらに衝撃的な女優20人の生と性に迫る。
著者からのコメント
何故、彼女らはセックスを商品にするというツライ仕事を選択したのだろう?という疑問から始まった取材であったけれど、「ただセックスするだけのことが、なんでツライんですかぁ?」と開き直られることが、たびたびでありました。普通の女のコが普通の仕事という認識で、自分のセックスを売ってしまう……、それが今の東京の現実である。そんな彼女らの口から、『男、金、人生、日本、夢、希望、生、死……』と、様々な意味深な言葉が飛びだしてきました。
普通が何であるのかわからない現代、彼女らはセックスを売りながら、誰一人として明確な答えを出せない希望や絶望を抱えて、一生懸命に生きているのです。アダルトビデオという異端な世界に身を投じて冒険しているAV女優の彼女らが、すでに崩壊している前時代的な普通にとらわれて鬱屈している人たちよりも、まだ健康的であることは言うまでもありませんでしたね。
内容(「Amazon.co.jp」より)
セックスを職業に選んだ女たちが語る、初体験、生い立ち、仕事、恋、これから。女の子が苦手なAVライターが体当たりインタビューで引き出す、カメラの向こうでハダカであえぐ、企画AV女優20人の本音。
ホームレス、レイプ、近親相姦、虐待、引きこもり、リストカット…。出演しているアダルトビデオよりもさらに過激な生い立ちを語る彼女たちもいる。元公務員、セックスレスの人妻、現役看護婦、面倒くさいことが嫌いなコギャル…。楽にお金がもらえるから、セックスが好きだからハダカになった女の子もいる。みんな街でスカウトされ、熱心に口説かれるうちにその気になってしまう。今まで誰にも認められなかったのに、キレイだと褒められてうれしかったから、全裸になるとはいえ、ライトを浴びて大勢に注目されながら演じることができるから、そして、レンズの向こうに、自分を熱心に見つめてくれるであろう男たちの視線を感じることができるからなど、この業界に入ったきっかけはさまざまだ。名前さえ紹介されず、1本10万円のギャラでAVビデオに出演する彼女たちが、常時1000人は業界にいるという。
セックスを売るという仕事を彼女たちはなぜ選んだのか。男性の視点から始まったこの企画でインタビューアーがそこに見たのは、性別や職業にかかわりなくあふれている「今が楽しければ、いい」「夢なんて、ない」「普通って、何?」という時代の気分だった。AV女優としての仕事に早い終わりがきたあと、彼女たちはどう生きていくのだろうか。同じ時代を生きるひとりとして、考えずにはいられなくなる。(篠田なぎさ)
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ホームレス女―結城杏奈
不幸な女―小越あい
ひきこもり女―北条舞
言い訳する女―市川紗苗
分裂する女―ひなこ
公務員だった女―星野瑠海
面倒くさい女―水野奈菜
トップだった女―斉藤つかさ
普通の女―飛鳥みどり
嘘つき女―今井はるか〔ほか〕